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があり、複雑になっている。また、野生生物を守る法律について地域の機関と連絡を取ることが役立ち、かつ重要である。
法律上のつきつめは、倫理上のつきつめとは分けて考えられる。法的に見て正しいか、間違っているか、また倫理上正しいかどうかと言うこととは別問題である。自分の価値観と行動が正しいか、または誤っているかについての個人的な判断は、その人の倫理観によって左右される。例えば、狩りはある倫理上の見地から論争の的となっている。狩りは合法的であるが、人間が野生動物の生命を奪っているから非倫理的である、という意見の人がいる。他の人々は、狩りがレクリエーション、食物獲得、動物の個体数管理上責任のある倫理にかなったことであると信じている。これらの信念の差は心理的なことによるのかも知れない。人が狩りをすることを選ぶかどうかは、個人的な倫理観によって決められるのである。しかしながら、ある倫理観によって動機を与えられた人々が、議論やいやがらせ、あるいは立法措置のような活動を通して他の人たちに自分たちの倫理観を押し付けようとすると、対立が生ずる。
子供たちに、野生生物や環境に影響する状況で、最も責任がある適切な行動を考えることについて、彼ら自身で判断する機会を与えることが、このアクティビティーの主な目的である。

 

用意するもの
「ジレンマカード」

 

手順
1. ジレンマカードを用意する。あなたの地域で起こっている特別な問題についてもジレンマカードに書いても良い。子供たちは、ジレンマカードを作る過程に参加し、それぞれの子供が一枚のカードに責任を持つ。ジレンマは、完全に自由解答式で選択肢は考えないようにする。
2. クラスを4つのグループに分けて、そしてそれぞれのグループにジレンマカードの山を与える。グループの真ん中にそれらを下向きに置く。
3. 最初の子供は、山の最上部からカードを引く。子供は状況を検討して、どうするか決めて、理由を明確に述べる。
4. −だいたい2分以下で−用意できたら、子供は自分の状況と選択肢を声を出してグループの他のメンバーに読む。子供は自分の決定を理由を含めて説明する。他のメンバーがジレンマについて、その状況で何をすべきかのコメントを順番に求められる。それぞれのグループのメンバーによるジレンマの論議はおよそ5分を要するだろう。自分のジレンマが論じられている子供はグループの他のメンバーに質問をして、そして彼らの決定について説明を受ける。これは、議論することにより、自分の考えが仲間によって検

 

 

 

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